1 今 私の 願いごとが 叶うならば 翼が欲しい (1) ![]() この背中に 鳥のように 白い翼 つけてください (2) ![]() この大空に 翼を広げ 飛んでゆきたいよ (3) ![]() 哀しみの無い 自由な空へ (4) ![]() 翼はためかせ いきたい ・・・ (5) ![]() 冬の嵐はおさまる兆しが見えず 凍えてしまいそうな日が続いています。 冬枯れの心の庭にも、季節の移ろいとともに 必ず春が来ると言いきかせながら ブロ友の皆様のところへは時折お伺いして力を得ています。 よい出会いを大切に思っていますので、今年もよろしくお願いいたします。 ▲
by soyokaze-1020
| 2017-01-22 22:37
| 夢の中
崖やほりには、まばゆい銀のすすきの穂が、いちめん風に波立っています。
その城あとのまん中に、小さな四角山があって、上のやぶには、めくらぶどうの実が、虹のように熟ていました。 もずが、まるで音譜をばらばらにしてふりまいたように飛んで来て、みんな一度に、銀のすすきの穂にとまりました。 めくらぶどうは感激して、すきとおった深い息をつき葉から雫くをぽたぽたこぼしました。 (1) ![]() つめたい風がふっと通って、大きな虹が、明るい夢の橋のようにやさしく空にあらわれました。 そこでめくらぶどうの青じろい樹液は、はげしくはげしく波うちました。 そうです。今日こそ、ただの一言でも、虹とことばをかわしたい、丘の上の小さなめくらぶどうの木が、よるのそらに燃える青いほのおよりも、もっと強い、もっとかなしいおもいを、はるかの美しい虹に捧ささげると、ただこれだけを伝えたい、 ああ、それからならば、それからならば、実や葉が風にちぎられて、あの明るいつめたいまっ白の冬の眠りにはいっても、あるいはそのまま枯れてしまってもいいのでした。 (2) ![]() 「虹さん。どうか、一寸こっちを見て下さい。」 やさしい虹は、うっとり西の碧いそらをながめていた大きな碧い瞳ひとみを、めくらぶどうに向けました。 「何かご用でいらっしゃいますか。・・・」 めくらぶどうは、まるでぶなの木の葉のようにプリプリふるえて、輝いて、いきがせわしくて思うように物が云いえませんでした。 「どうか私のうやまいを受けとって下さい。」 (3) ![]() 虹は大きくといきをつき・・そして云いました。 「うやまいを受けることは、あなたもおなじです。なぜそんなに陰気な顔をなさるのですか。」 「私はもう死んでもいいのです。・・・私の命なんか、なんでもないんです。あなたが、もし、もっと立派におなりになる為ためなら、私なんか、百ぺんでも死にます。」 「あら、あなたこそそんなにお立派ではありませんか。あなたは、たとえば、消えることのない虹です。変らない私です。 私などはそれはまことにたよりないのです。ほんの十分か十五分のいのちです。ただ三秒のときさえあります。ところがあなたにかがやく七色はいつまでも変りません。」 「いいえ、変ります。変ります。私の実の光なんか、もうすぐ風に持って行かれます。雪にうずまって白くなってしまいます。枯草の中で腐ってしまいます。」 (4) ![]() 虹は思わず微笑いました。 「ええ、そうです。本とうはどんなものでも変らないものはないのです。 この眼の前の、美しい丘や野原も、みな一秒ずつけずられたりくずれたりしています。 けれども、もしも、まことのちからが、これらの中にあらわれるときは、すべてのおとろえるもの、しわむもの、さだめないもの、はかないもの、みなかぎりないいのちです。 わたくしでさえ、ただ三秒ひらめくときも、半時空にかかるときもいつもおんなじよろこびです。」 「私を教えて下さい。私を連れて行って下さい。私はどんなことでもいたします。」 「いいえ私はどこへも行きません。いつでもあなたのことを考えています。 すべてまことのひかりのなかに、いっしょにすむ人は、いつでもいっしょに行くのです。 いつまでもほろびるということはありません。 けれども、あなたは、もう私を見ないでしょう。 お日様があまり遠くなりました。 もずが飛び立ちます。私はあなたにお別れしなければなりません。」 (5) ![]() めくらぶどうは高く叫びました。 「虹さん。私をつれて行って下さい。どこへも行かないで下さい。」 虹はかすかにわらったようでしたが・・・ そして、今はもう、すっかり消えました。 空は銀色の光を増し、あまり、もずがやかましいので、ひばりも仕方なく、その空へのぼって、少しばかり調子はずれの歌をうたいました。 童話 「めくらぶどうと虹」 宮沢賢治 (6) ![]() めくらぶどうは、ノブドウ(野葡萄)の地方名だそうです。 この童話は読んだことがなかったのですが、サイトで見つけて感銘を受け、抜粋いたしました。 石垣の草むらの中にばら蒔かれた天然の宝石~! 一株に様々な色をちりばめて、不思議な魅力があります。 花言葉は、 慈悲、人間愛 ▲
by soyokaze-1020
| 2012-11-07 10:00
| 夢の中
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川の土手の草むらの中の紅い星!
今年も逢いに行ってきました。 空は怪しげな雲が広がり相変わらず不安定なお天気。 マルバルコウソウ(丸葉縷紅草)は、一日花で、午後にはしぼんでしまう性質があります。 咲いているものは僅か~! 周りの草や杭、錆びついた鉄柵などに絡みつき 身を焦がすような紅色に染まりながら川を見下ろしています。 時の流れに・・・ 浮かんだり沈んだりしながら 遠くに去っていく厳しかった夏の面影を ただ、黙って見送る姿に哀愁が漂って・・・ 花言葉は、 紙一重 (1) ![]() (2) ![]() (3) ![]() (4) ![]() (5) ![]() (6) ![]() (7) ![]() ▲
by soyokaze-1020
| 2012-09-18 18:00
| 夢の中
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夏雲がたつ高い空に 冷気をまとった大きな風が
自由気ままに吹いています 地上の熱気は まだ冷めやらず 地面を這うようにあえぐ風は 小さな渦をまきながら 肩を奮わせ咽び泣きしています 夏の終わりは まもなくだというのに いっこうにその気配をみせない野原 暑すぎた夏の想い出に まとわりつかれたその風は 頭をもたげ 遠く霞むメルヘンの丘をめざします ![]() ![]() 小道の両脇の 傷んだ草花の花びらや 小枝の先の虫食いの葉 風の小さな渦巻きは それらをそよりと揺らしながら 喘ぎあえぎ通り過ぎました 風の通り道には はらり はらりと落としていった 夏の想い出が 儚い泡となって 消えてゆきました ![]() ![]() ![]() 高い空の上から 地上を見下ろしていた大きな風は 爽やかに秋をふりまきながら 静かに去っていきました そうして 季節は確実に移ろい まもなく おだやかで閑かな秋が もうそこまで・・・ ![]() ![]() 地上で喘ぎながら渦巻いていた 傷ついたあの風は 宵闇に包まれたその日の夜半に やっと、小高いメルヘンの丘にたどりつきました 幼き頃の想い出に浸りながら 高い空を見上げると キラキラ光る小さな星が ひとすじ尾を引いて 夜空の彼方へ落ちて 消えていきました ![]() 深い溜め息をついてその風は やがて・・・ 渦巻くことをやめて 季節の移ろいに身を任せ そよそよと吹きはじめました ありし日の姿のままに・・・ なにごともなかった 夏の終わりのエピローグ ![]() ▲
by soyokaze-1020
| 2012-09-07 12:00
| 夢の中
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