カテゴリ:夢の中( 4 )

願いごと・・・     ≪   コサギ   ≫



今 私の 願いごとが 
叶うならば
翼が欲しい


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この背中に 鳥のように
白い翼 つけてください


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この大空に 翼を広げ
飛んでゆきたいよ


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哀しみの無い 自由な空へ

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翼はためかせ いきたい
・・・


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冬の嵐はおさまる兆しが見えず
凍えてしまいそうな日が続いています。
冬枯れの心の庭にも、季節の移ろいとともに
必ず春が来ると言いきかせながら

ブロ友の皆様のところへは時折お伺いして力を得ています。
よい出会いを大切に思っていますので、今年もよろしくお願いいたします。



by soyokaze-1020 | 2017-01-22 22:37 | 夢の中

めくらぶどうと虹    ≪   ノブドウ   ≫

崖やほりには、まばゆい銀のすすきの穂が、いちめん風に波立っています。
その城あとのまん中に、小さな四角山があって、上のやぶには、めくらぶどうの実が、虹のように熟ていました。

もずが、まるで音譜をばらばらにしてふりまいたように飛んで来て、みんな一度に、銀のすすきの穂にとまりました。
めくらぶどうは感激して、すきとおった深い息をつき葉から雫くをぽたぽたこぼしました。



(1)
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つめたい風がふっと通って、大きな虹が、明るい夢の橋のようにやさしく空にあらわれました。
そこでめくらぶどうの青じろい樹液は、はげしくはげしく波うちました。

そうです。今日こそ、ただの一言でも、虹とことばをかわしたい、丘の上の小さなめくらぶどうの木が、よるのそらに燃える青いほのおよりも、もっと強い、もっとかなしいおもいを、はるかの美しい虹に捧ささげると、ただこれだけを伝えたい、
ああ、それからならば、それからならば、実や葉が風にちぎられて、あの明るいつめたいまっ白の冬の眠りにはいっても、あるいはそのまま枯れてしまってもいいのでした。



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「虹さん。どうか、一寸こっちを見て下さい。」

やさしい虹は、うっとり西の碧いそらをながめていた大きな碧い瞳ひとみを、めくらぶどうに向けました。
「何かご用でいらっしゃいますか。・・・」

めくらぶどうは、まるでぶなの木の葉のようにプリプリふるえて、輝いて、いきがせわしくて思うように物が云いえませんでした。
「どうか私のうやまいを受けとって下さい。」



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虹は大きくといきをつき・・そして云いました。
「うやまいを受けることは、あなたもおなじです。なぜそんなに陰気な顔をなさるのですか。」

「私はもう死んでもいいのです。・・・私の命なんか、なんでもないんです。あなたが、もし、もっと立派におなりになる為ためなら、私なんか、百ぺんでも死にます。」

「あら、あなたこそそんなにお立派ではありませんか。あなたは、たとえば、消えることのない虹です。変らない私です。
私などはそれはまことにたよりないのです。ほんの十分か十五分のいのちです。ただ三秒のときさえあります。ところがあなたにかがやく七色はいつまでも変りません。」

「いいえ、変ります。変ります。私の実の光なんか、もうすぐ風に持って行かれます。雪にうずまって白くなってしまいます。枯草の中で腐ってしまいます。」



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虹は思わず微笑いました。

「ええ、そうです。本とうはどんなものでも変らないものはないのです。
この眼の前の、美しい丘や野原も、みな一秒ずつけずられたりくずれたりしています。
けれども、もしも、まことのちからが、これらの中にあらわれるときは、すべてのおとろえるもの、しわむもの、さだめないもの、はかないもの、みなかぎりないいのちです。
わたくしでさえ、ただ三秒ひらめくときも、半時空にかかるときもいつもおんなじよろこびです。」

「私を教えて下さい。私を連れて行って下さい。私はどんなことでもいたします。」

「いいえ私はどこへも行きません。いつでもあなたのことを考えています。
すべてまことのひかりのなかに、いっしょにすむ人は、いつでもいっしょに行くのです。
いつまでもほろびるということはありません。

けれども、あなたは、もう私を見ないでしょう。
お日様があまり遠くなりました。
もずが飛び立ちます。私はあなたにお別れしなければなりません。」



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めくらぶどうは高く叫びました。
「虹さん。私をつれて行って下さい。どこへも行かないで下さい。」

虹はかすかにわらったようでしたが・・・

そして、今はもう、すっかり消えました。
空は銀色の光を増し、あまり、もずがやかましいので、ひばりも仕方なく、その空へのぼって、少しばかり調子はずれの歌をうたいました。
                                                 
                                                
                                                                    

 童話  「めくらぶどうと虹」  宮沢賢治

              



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めくらぶどうは、ノブドウ(野葡萄)の地方名だそうです。
この童話は読んだことがなかったのですが、サイトで見つけて感銘を受け、抜粋いたしました。

石垣の草むらの中にばら蒔かれた天然の宝石~!
一株に様々な色をちりばめて、不思議な魅力があります。


花言葉は、 慈悲、人間愛




                                                    
by soyokaze-1020 | 2012-11-07 10:00 | 夢の中 | Comments(14)

流れを見下ろす紅い星   ≪   マルバルコウソウ   ≫

川の土手の草むらの中の紅い星!
今年も逢いに行ってきました。

空は怪しげな雲が広がり相変わらず不安定なお天気。

マルバルコウソウ(丸葉縷紅草)は、一日花で、午後にはしぼんでしまう性質があります。
咲いているものは僅か~!

周りの草や杭、錆びついた鉄柵などに絡みつき
身を焦がすような紅色に染まりながら川を見下ろしています。



時の流れに・・・

浮かんだり沈んだりしながら

遠くに去っていく厳しかった夏の面影を

ただ、黙って見送る姿に哀愁が漂って・・・



花言葉は、 紙一重


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by soyokaze-1020 | 2012-09-18 18:00 | 夢の中 | Comments(10)

夏の終わりのエピローグ

夏雲がたつ高い空に 冷気をまとった大きな風が

自由気ままに吹いています



地上の熱気は まだ冷めやらず

地面を這うようにあえぐ風は 小さな渦をまきながら

肩を奮わせ咽び泣きしています



夏の終わりは まもなくだというのに

いっこうにその気配をみせない野原


暑すぎた夏の想い出に まとわりつかれたその風は

頭をもたげ 遠く霞むメルヘンの丘をめざします


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小道の両脇の 傷んだ草花の花びらや 小枝の先の虫食いの葉


風の小さな渦巻きは それらをそよりと揺らしながら

喘ぎあえぎ通り過ぎました




風の通り道には

はらり はらりと落としていった 夏の想い出が

儚い泡となって 消えてゆきました


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高い空の上から 地上を見下ろしていた大きな風は

爽やかに秋をふりまきながら 静かに去っていきました



そうして 季節は確実に移ろい

まもなく おだやかで閑かな秋が もうそこまで・・・


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地上で喘ぎながら渦巻いていた 傷ついたあの風は 宵闇に包まれたその日の夜半に

やっと、小高いメルヘンの丘にたどりつきました



幼き頃の想い出に浸りながら 高い空を見上げると

キラキラ光る小さな星が ひとすじ尾を引いて 夜空の彼方へ落ちて  消えていきました


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深い溜め息をついてその風は

やがて・・・


渦巻くことをやめて 季節の移ろいに身を任せ そよそよと吹きはじめました

ありし日の姿のままに・・・




なにごともなかった 夏の終わりのエピローグ



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by soyokaze-1020 | 2012-09-07 12:00 | 夢の中